仁兎なずなというアイドルの消失

今まで、様々な人のはてなブログを読んできました。

やりきれない思いや納得できないもの、悲しい、嬉しい、様々な強い思いが込められたそれを読んで涙したこともあります。そんなはてなブログに自分が手を出すことになろうとは、夢にも思いませんでした。

私がブログを書こうと思ったのは、あんさんぶるスターズ!の返礼祭がきっかけでした。Ra*bitsを応援していたしがないファンの独り言です。誰にも配慮してません。Ra*bitsのみんなが好きですが、今回はほぼ仁兎なずなについて語っています。ネタバレNGな方や嫌な予感がした方は、自衛をよろしくお願いします。

 

 

私がRa*bitsに出会ったのは、2年目に入ってからでした。リリース当初は受験期だったためゲームには手を出せず、CMを眺めては「早くプレイしたいなぁ」と思う日々でした。受験が終わり少しして、私はあんさんぶるスターズ!を始めました。そしてRa*bitsに出会い、沼へと落ちていったのです。彼らの可愛らしさに惹かれ、応援したいという思いでプロデュースを始めました。ストーリー解放キーを手に入れれば彼らのストーリーを読み、復刻イベントもRa*bitsが出ているものをよく選んでいました。

全てのストーリーを読めたわけではありませんが、少しずつ彼らのことを知っていけたらなと思っていたのです。

 

みんなの頼れるに~ちゃん。普通がコンプレックスの友也くん。優しい癒し系のしののん。いつも真っ直ぐで実は大人な光。4人でRa*bits。誰一人として欠けてもダメなんだ。私は本気でそう思っています。

 

いつからなずなの「お客さん」「助っ人」発言が目につくようになったかは覚えていません。なずながその言葉を使う度に「なずな以外の誰も、そんな風に思っていないのに」と思っていました。Ra*bitsの1年生達も「一緒に歩いていこう」「自分達を頼ってほしい」とそんな風に言っていました。

いつか伝わるだろう。いつか “本当の意味でRa*bitsになった仁兎なずな” が見られるのだろう。その時きっと私は泣きながらも、それを心から喜ぶのだろう。そんな風に思っていました。

 

 

 

 

 

 

返礼祭が始まるまでは。

 

イベントのお知らせが来たときから、嫌な予感はしていました。

箱イベ(※私の中ではハイレアを1つのユニットが固めているものを箱イベと呼んでいます)が欲しいと思いつつも、七夕イベしかなかったRa*bits。返礼祭はきっと…と思っていましたが、案の定Valkyrieと合同でした。

 

ここで1つ断っておきたいのですが、私はValkyrieが嫌いなわけではありません。夢ノ咲学院に嫌いなキャラはいません。そういう問題ではないのです。

私が危惧していたのはRa*bitsの返礼祭ではなく旧Valkyrieの返礼祭になってしまうのではないか、という部分でした。

 

確かになずなは元々Valkyrieに在籍していました。それは事実ですし、Valkyrie時代があったからこそ今のなずながあるのだと思います。Valkyrieもなずなを構成する要素の1つです。ですが最後の1年間は、なずなはRa*bitsとしてやってきました。1年生達もたくさんお世話になったはずだし、なずなも彼らのおかげで笑顔で1年間を過ごせたのではないでしょうか。そんな彼らの最後のステージを、Ra*bitsの返礼祭として飾ってあげたい。そう思うことはそんなにもいけないのでしょうか。

 

イベントが始まって、私はストーリーを回収しました。

そして読んで、唖然としたのです。Valkyrieパートはとてもよかったと思います。きっと離れても2人は繋がっているはずだし、もしかしたらみかちゃんが卒業後お師さんを追いかけて外国へ行くかもしれない。なんて夢が広がりました。

それに比べて、Ra*bitsはどうでしょう。

突然の設定改変、アイドルの引退宣言、それをあっさり受け入れる後輩達、光の「いつまでもこのままじゃいられない」という現実を見据えた発言の掘り下げもなし、ValkyrieとRa*bitsが共にステージに立つというのも「やろうやろう!」というだけで特に描写もなし。そして何より許せなかったのが、返礼祭でさえなずなが「お客さん」「助っ人」という言葉を使ったことです。涙が出ました。何の涙かは分かりませんでした。とにかく涙が止まらなかったのです。

 

1年目で零と薫はアイドルを続け、その後アドニスと晃牙が追いつく。という非の打ちどころのない未来を見せてもらいました。

2年目では、奏汰くんはまだ過去が明かされていないからかあまり触れられていませんでしたが、守沢千秋は卒業後も芸能界に留まるという未来をくれました。

3年目でこうなるなど、誰が予想したのでしょう。返礼祭を迎えるということが、仁兎なずなというアイドルの終わりを迎えることを意味しているだなんて、誰が思うのでしょうか。

 

なずなの大学進学に、ケチをつけるつもりはありません。悩んで悩んで決めたのだと思います。様々な葛藤があったのだと思います。そこを見せてくれなければ、ただの私の妄想になりますが。仁兎なずなというアイドルの消失は悲しくて仕方がないけれど、応援しよう。そう思っていました。

なずなが引退を決めたからこそ、やっぱり返礼祭が “仁兎なずなが本当の意味でRa*bitsになる” ラストチャンスなんだなと思いました。辛いけれど仕方がない。きっと最後は笑顔を見せてくれる。だって開花後のなずなは、あんなにも幸せそうな顔をしていたのだから、と。

 

 

どうしてこんな風になってしまったのでしょう。

これが最初で最後だとしても、仁兎なずなはRa*bitsの仁兎なずなになれるはずじゃなかったのでしょうか。逃げ道を用意してくれているのか「一旦Ra*bitsを抜ける」という風に言っていましたが、私には戻ってくるようには到底思えません。遠い未来なずながRa*bitsに戻ってくることがあっても、それが描かれることは難しいでしょう。描かれなければ、それはただの妄想で願望なのです。

私は仁兎なずなというアイドルの終わりを見届けた気分でいます。

 

あと1ヶ月程で4月になり、ループしてまた時間は戻ります。

ですが今まで通り応援できる気がしません。どれだけキラキラした笑顔で、ステージの真ん中でスポットライトを浴びているなずなを見ても「でも引退するんだよなぁ……」という思いが拭えません。

 

私はなずなが胸を張って「俺はRa*bitsの仁兎なずなだ!」と言っている姿が見たかった。いつまでも「お客さん」「助っ人」という言葉を使うなずなに向かって「に~ちゃんはお客さんでも助っ人でもなくて、Ra*bitsの仁兎なずななんだ!」と怒る1年生達が見たかった。それだけです。

友也くんも、しののんも、光も。誰一人としてなずなの引退宣言に引っ掛からなかったのでしょうか。偉大な先輩の卒業に、不安にならなかったのでしょうか。

「に~ちゃんがいなくなっちゃう……どうしよう、でもに~ちゃんには頼れない。自分たちでなんとかしなきゃ!」と涙を堪えつつも一生懸命に頑張る彼らは存在しないのでしょうか。これも描かれなければ、ただの私の妄想で願望なのです。

 

友也くんが「に~ちゃんがRa*bitsを選んだ判断が間違いじゃなかったことを証明したい」と言ってくれた。

に~ちゃんの言いつけ通りステージ上では泣かないように我慢したけど、堪えきれずにボロボロと泣きだしたしののんを見て、その思いを聞いて一緒に泣いた。

泣かないと思っていた光が泣いてくれて、「に~ちゃんがオレのことを育ててくれた」って言ってくれた。

なずなが1年生達を、家族みたいに愛していると言ってくれた。

 

何でもない日が積み重なって、キラキラと輝いていて。奇跡みたいな1年だった。

 

1年生達がどうにもならなくて泣きついて、助けを求めてきたけれど。助けられていたのはなずなも同じで。4人じゃなかったら、きっとダメで。

3年生と1年生だから、どうあがいても一緒に過ごせる時間は少なくて。なずなは先に行くしかなくて。だから1年生達は、必死に後を追いかけてほしかった。なずなを迎えに行けるくらいに成長して、大きくなってほしかった。葛藤が見たかった。理由が知りたかった。決意する瞬間が見たかった。まだまだ見せてもらっていないものがたくさんあって、見せてもらえなきゃそれは「本当」ではなく「私の妄想」になってしまう。

 

夢を見る権利すら奪われてしまったように思えた。

仁兎なずなというアイドルはここで終わり、とはっきり言われてしまったかのような気分だった。

 

どうやったらなずなはRa*bitsの仁兎なずなになれるのでしょうか。

それを望んでいるのは私だけなのでしょうか。

 

 

 

仁兎なずなの1年間は、何だったのでしょうか。

 

アイドルを辞めるということは、プロデュースを失敗したということなのでしょうか。Ra*bitsとして1年間頑張ってきたけれど、残るには値しないということなのでしょうか。もう何も分かりません。私が愛した仁兎なずなの本当の部分は、どこにあるのでしょうか。

 

周りに勧められて何となくアイドルになった?

Valkyrieに気を取られ、パフォーマンスに集中できていない?

 

私が知っているなずなは、お客さんの笑顔の為に頑張れる子でした。

歌が好きで、それを活かそうと思って夢ノ咲学院に入学した。それが原点だと言っていました。

ステージ上で話すという夢ノ咲学院の謎の風習にもちゃんと異を唱え、全力でパフォーマンスをしていました。

 

私が応援していたものは、一体何だったのでしょう。

何が本当で何が嘘なのでしょうか。

 

返礼祭で、最初で最後だとしても「Ra*bitsの仁兎なずな」になれると信じていたからこそ、「俺をRa*bitsの仁兎なずなにしてくれてありがとう」と言ってくれると思っていたからこそ、今までやってこられたのです。それが、裏切られた気分でした。

 

なずなは結局「Ra*bitsの仁兎なずな」になれないままアイドルとしての生涯を終えたのかと思うと、私は涙が止まらないのです。

 

3年間お疲れ様。素敵な笑顔をありがとう。

あなたの笑顔が大好きでした。

どうかあなたの進む道が温かくて幸せなものであるよう、祈っています。

 

 

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。

お目汚し失礼致しました。